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アマチュア無線とは?魅力や楽しみ方についての疑問にお答えします!
昔と比べれば、SNSの普及により世界中の誰とでも簡単に繋がれる便利な世の中になりました。
そうなると無線機の存在意義も次第になくなっていきますし、アマチュア無線を趣味として楽しむ人口も減少しているという現状でもあります。
しかしなぜアマチュア無線は未だこんなにも根強い人気があるのでしょうか。
アマチュア無線は個人での利用のみ許可されており、企業や団体、営利目的の利用は禁止されています。
災害時に強くグループ通話もできる便利なアマチュア無線ですが、業務用として利用したい場合は他の通信手段を検討する必要があるのです。
この記事ではアマチュア無線の楽しみ方に焦点を当てつつ、業務利用できる無線機やトランシーバーについてもまとめていますのでぜひ参考にしてみてくださいね。
アマチュア無線って一体何?
アマチュア無線とは、金銭目的や事業ではなく個人が行う趣味として楽しまれている無線のことで、人類共通の資源である「電波」を使用する無線通信の一つです。
ちなみに皆さんが普段から使用している携帯電話やスマートフォン、Wi-Fiなどの通信手段も無線通信に該当します。
アマチュア無線の電波の届く範囲は、例としてハンディータイプの無線機を使用し5W程度の付属アンテナを使用したとすると、5km程度の距離であれば交信可能です。
しかしこれはあくまでも一例で、周波数や場所、無線機の出力やアンテナの種類によって交信できる距離は大きく変わってきます。
自分で試行錯誤しながら電波を遠くに届かせるのもまたアマチュア無線機の醍醐味の一つと言えるでしょう。
どうしてアマチュア無線は未だに人気があるの?
1.維持費用がほとんどかからない
アマチュア無線を使用する際は、維持費用がほとんどかかりません。ただし1年間の電波使用量(300円)と無線機にかかる電気代は必要になってきます。
使用するたび通信料のかかるインターネットと比較すると、海外の人と通話したり、長時間会話しても通信料のかからないアマチュア無線は、非常にお得だと言えるでしょう。
2.グループ通話をしているかのような感覚で楽しめる
SNSではグループ通話を除けば基本的に1対1での会話ですよね。対してアマチュア無線は、アマチュア無線局で全ての会話を聞くことができます。
つまり初めは1対1での会話でも、その会話に興味を持った人が反応し会話に参加すれば、結果的に遠く離れた人達とグループ通話をしているような楽しみ方が可能になるというわけです。
3.緊急時や災害時にめっぽう強い
アマチュア無線機の最大の魅力は、「緊急時や災害時に驚くほど便利」という点です。
緊急時や災害時には多くの人々が安否確認のため電話回線を使用しますよね。そうすると必ずと言っていいほど電話の回線は混雑し繋がらなくなります。そんな時基地局や中継アンテナが要らないアマチュア無線さえあれば緊急時や災害時でも緊急の連絡手段として使用できます。
アマチュア無線を使ってできること3選
ここからはアマチュア無線を使ってできる3つのことについて解説していきます。
1.世界中の人たちと繋がることができる
アマチュア無線を使うことで「世界中の誰とでも交信すること」ができます。プロフィールや投稿から相手のことが知れるSNSとは違い、アマチュア無線は無線機を使って誰かが応答してくれるまで、世界中の誰と繋がるかわからないドキドキ感が味わえます。
自分の声に遠くの誰かが返事をしてくれたという感覚は、なかなかSNSでは感じることのできない新鮮な体験になるでしょう。
2.自作の無線機やアンテナで交信して楽しめる
アマチュア無線機を楽しんでいるほとんどの人は、市販の無線機とアンテナを使用しています。しかし中には無線子機とアンテナを自分で作り試行錯誤を繰り返しながら、無線機に熱中する熱いファンも存在します。市販の無線機ではなく自分で作って交信できた時の喜びは計り知れないですよね。
3.QSLカードの交換ができる
アマチュア無線を使用すると、交信した相手局とそのデータが書いてある「QSLカード」と呼ばれるカードを入手することができます。「QSLカード」にはその人が住んでいる地域の雰囲気が一目でわかるようなデザインになっている場合が多く、個性豊かな様々なカードが存在します。
しかし実際は法的にQSLカードを交換しなければいけないという義務はなくこの「QSLカード」の交換はアマチュア無線家の間では、慣例的なものになっているようです。
注意!アマチュア無線を楽しむには「免許」が必要です!
ここまでアマチュア無線の魅力と楽しみ方について紹介してきました。しかしアマチュア無線は無線機とアンテナさえあればすぐに始められるものではありません。アマチュア無線を楽しむためには「アマチュア無線技士」の資格つまり免許を取得しなければいけません。アマチュア無線技士には第4級から第1級まであり、上級になればなるほど試験の問題も難易度が高くなる反面、できることが増えていきます。
肝心の資格を取る方法ですが実は2種類あります。一つは公益財団法人日本無線協会が実施している「国家試験」に合格すること。もう一つはJARD(一般財団法人 日本アマチュア無線振興協会)が実施している「養成課程講習会」を受講し、「修了試験」に合格することです。
実際アマチュア無線技士のおよそ90%は第4級の無線技師で、小中学生でもきちんと勉強すれば試験に合格できる難易度だと言われています。
詳しくはこちらのページをご覧ください。
参考: アマチュア無線の資格と操作範囲など - 日本アマチュア無線連盟
どちらかの方法で試験に合格したら3ヶ月以内に無線従事者の免許証の申請(開局申請)をしましょう。これで無事にあなたもハム(アマチュア無線家)の仲間入りです。
アマチュア無線は業務用として使える?
アマチュア無線は電波法令によって営利活動や企業などの営利法人には利用できないことが定められています。あくまでも営利目的ではなく趣味の範囲で使ってくださいというもの。
アマチュア無線の利用目的は「金銭上の利益のためでなく、もっぱら個人的な無線技術の興味によって行う自己訓練、通信及び技術的研究」であることが使用上の条件及び注意事項となります。
営利目的で利用した場合、例え免許を保持していたとしても電波法に違反し一年以下の懲役、100万以下の罰金が課せられます。
また免許を取得せず勝手に開局しアマチュア無線機を利用した場合も電波法違反となりますので注意が必要です。
仕事で使える業務用無線
企業や団体などで無線機を利用する場合は総務省が管轄する無線局で免許の申請や登録の手続きを行わなくてはなりません。業務用として推奨されている業務用無線をご紹介します。
簡易業務用無線
無線機同士でやりとりが可能な無線機です。
簡易業務用無線機は上限5W(一部上限1W)の無線機を指し、おおよそ1000m〜5000mまでと通信範囲に制限がありながらも免許不要で手軽に業務利用することが可能。
インターネットが通じない場所でも通信することができ、高出力かつ遮蔽物にも強いデジタル簡易無線が業務用として企業や団体で利用されています。
免許局または登録局へ申請が必要
簡易業務用無線機を所有するにあたっては免許局もしくは登録局への申請が必要になります。
簡易業務用無線にはアナログ方式とデジタル方式があり、事業規模や用途に応じて免許局と登録局のどちらかを選べるようになっています。
法人が無線機を業務利用する場合は一台ごとに免許局への申請が必要であり、団体に所属している人以外の使用は禁止されています。
業務利用とレジャーの両方に対応しており、団体に所属していない第三者へ貸出が可能なのが登録局です。レンタルサービスでも登録局へ申請済みの無線機を貸し出しています。
なおアナログ方式のアナログ無線機は電波法改正により2024年12月1日以降、廃止が決定しているため業務用として無線機を所有する場合はデジタル簡易無線を選択しましょう。
業務用無線機とは?特徴から分かるメリット・デメリットや注意点まとめ特定小電力無線
送信距離に影響する出力が短く設定されている無線機器を特定小電力無線といい、特定小電力トランシーバーが代表的な無線機です。特定小電力トランシーバーは免許不要で誰でも利用することができ、業務用としても昔からイベントなどで使われています。
特定小電力トランシーバーは無線機の中でも短距離タイプのため送信出力が0.01W以下、空中線電力(送信出力)が1Wに定められていますが、出力が小さく設定されている分周りの電波に干渉されにくいというメリットがあります。
IP無線
インターネットの通信網を利用した無線機同士の通信をIP無線といい、携帯電話が使える環境下であれば全国どこでも通信が可能です。電波とは異なり音声をデータに暗号化するため安全性に長けており、傍受や混信の心配も少ないと言えます。一方で従来の無線通信とは違い携帯キャリアのネット回線を利用するため通信料がかかります。
近年ではワイヤレスイヤフォンとスマホを Bluetooth接続してインターネット回線を通じて通信を行うスマホインカムも業務用のコミュニケーションツールとして広がっています。
トランシーバーアプリ
スマートフォンに専用の通話アプリをインストールして携帯電話を媒体としてやりとりを行う通信手段です。
インターネット環境下であれば距離無制限で利用でき、GPS機能やマップ機能など位置情報と連携した機能が搭載されているタイプもあり近年ではリモートワーカーや外出先での通信ツールとして業務用として使われています。無料のものと有料のものがあります。
アマチュア無線はプライベート用、仕事では業務無線を使用しよう
アマチュア無線は無線の技術に興味がある人が趣味として利用する無線機です。営利目的で利用した場合、罰則が課されますので注意しましょう!また免許を持たずに利用することも禁止されています。
同じ趣味を持つ誰かと声を通じて繋がれるというのはSNSが普及した現代においても新鮮な感覚ですよね。またQSLカードなどコレクターの興味をそそる要素も詰め込まれた無線機だと言えます。
趣味の利用はもちろん災害時に備えてプライベート用に常備しておく範囲なら問題ありません。
一方業務用無線は仕事用の無線機で、法人などで所有する場合は一台一台免許局へ申請が必要ですが、登録局へ申請すれば特別な資格や免許を申請しなくても利用できます。
特定小電力無線機(特定小電力トランシーバー)は業務用無線機と比べ価格が安く設定されており、免許不要で所有することが可能。
また近年では免許不要で手軽に導入できランディングコストがかからないIP無線も注目されています。アマチュア無線と業務用無線を使い分け公私ともに無線ライフを充実させましょう。
業務用IPトランシーバーの選び方を徹底解説【購入方法もご紹介】アマチュア無線の魅力を兼ね備えたBONX WORK
無線子機とアンテナを試作したりQSLカードを交換したりといったアマチュア無線ならではの楽しみ方はできませんが低コストでグループ通話ができ世界中どこでも繋がれるといった機能性の面でアマチュア無線よりおすすめしたいコミュニケーションツールBONX WORKをご紹介します。
BONX WORKとは
BONX WORKはスマートフォンとイヤフォンをBluetoothで接続して携帯キャリアの通信網を使って通信を行うスマホインカムです。
携帯と同等の通信範囲と音質の良さが特徴であり、インターネット環境下であれば世界中どこでもクリアな音声で通信することができます。
電波の影響を受けずシームレスに繋がれるコミュニケーションツールとしてデスクレス社員を抱える多種多様な企業や団体から支持を得ています。
BONX WORKを業務利用するメリット
グループ通話が可能
BONX WORKはアマチュア無線と同じくグループ通話が可能です。誰がトークルームに入っているのか、アプリ上でメンバーを確認でき多重同時通話にも対応。50名(拡張可能)と同時に話すことができるのです。
従来の無線機やトランシーバーのように一方向の通信方式とは違い、双方向の通信方式であるため相手の会話が終わるのを待つ必要がなくテンポの良いやりとりが可能。複数人と対面して話しているかのような感覚が得られます。
アマチュア無線は趣味で複数人と会話することが目的ですが、業務でもアマチュア無線のような一体感が生まれるのは大きなメリットではないでしょうか。
導入コストを抑えられる
業務用として人気の高い簡易業務用無線の購入費用は一台あたり50,000円〜100,000円です。別途で免許申請料や電波利用料が発生するため、まとめて導入するとなると莫大な経費がかかってしまいます。
一方でBONX WORKはサブスクリプションが利用ができて事業規模や利用用途に応じてプランも選択可能です。専用のハードウェアも込みでサブスクリプション契約ができるため、簡易業務用無線と比べ導入費用とランニングコストがかかりません。
インターネットを利用しているため携帯の通信料は発生しますが、ミュート機能や発話検知機能によって利用中以外はデータ使用量を抑えることができます。
アマチュア無線にはないコミュニケーション機能が満載!
誰と交信できるか分からないワクワク感や音声を通じて知らない人と会話が楽しめる点がアマチュア無線の魅力。一方で指定した複数の相手と距離無制限で繋がることができるのは業務用スマホインカムBONX WORKならではの良さだと言えるでしょう。
タイムリーな音声やりとりはもちろんテキスト読み上げ機能や文字起こし機能、特許取得の発話検知機能など現場で働くデスクレスワーカーの業務効率化を図る機能が詰まっています。
不特定多数と繋がることで一体感が得られるアマチュア無線の良さを備えつつ、最新の音声データ機能が幅広く活用できるグループトークソリューションなのです。
詳しくはBONX WORK 公式ウェブサイトをご覧ください。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回はアマチュア無線の魅力と楽しみ方について解説しました。SNSとは違った角度から遠くの人たちと交信できるので、新しい体験になること間違いなしです!
まずは「免許の取得」が先決です。しっかり勉強して素敵なアマチュア無線ライフをお過ごしくださいね。
一方で業務用としては利用できないことも忘れてはいけないポイント。デスクレスワーカーの働く現場ではアマチュア無線のようにグループで繋がれる無線機が欠かせませんが、免許取得や登録など申請が大変だったり一台あたり高額な費用がかかってしまいますよね。
今回ご紹介したBONX WORKなら携帯さえあれば免許不要で誰でも利用することができます。サブスクリプションでイニシャルコストを抑えることが可能。アマチュア無線のようにいわゆる無線の形はしておらず、見た目はスマートかつ軽量ではありますが通信距離無制限で音質もクリア、最大50人と同時にグループ通話ができる便利なツールです。
業務用の無線機にはぜひBONX WORKをご検討ください。