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【令和8年度最新】介護のICT補助金の活用方法や申請時の要点をやさしく解説

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令和8年度のICT補助金とこれからの介護現場

日本の介護の世界は、今とても大きな変化の中にあります。以前は「2025年問題(お年寄りが急に増えること)」が心配されていましたが、これからは「2040年問題(働ける若い人が急激に減ること)」というもっと大きな壁に立ち向かわなければなりません。
そのため、2026年度(令和8年度)は、介護の現場でロボットやパソコンの力(テクノロジー)を使うことが、「できればいいな」ではなく「絶対に必要だ」という考え方に変わる特別な年になります。

国もこのために、大きなお金を準備して、介護の現場をデジタルで便利にするICT化を強力に進めています。この計画の本当の目的は、ただ機械を買うことではありません。「機械を使って、仕事のやり方そのものを楽にする」ことです。そうしないと、介護を支える人たちが足りなくなって、現場が立ち行かなくなるからです。

2026年度の補助金は、これまでの経験を活かして、「ちゃんと役に立つ結果が出ているか」や「他の事業所とデータをやり取りできているか」をとても重視する仕組みになっています。特に、複数の機械をセットで使うパッケージ導入や、2026年4月から始まる介護情報基盤(みんなで情報を共有する仕組み)への対応は、これから介護の仕事を続けていく上で、一番大切で避けては通れないニュースです。
本記事では、2026年度の補助金をもらうためのルール去年からの変更点、そしてこれからの介護に何が求められるのかを分かりやすくまとめました。

2026年度(令和8年度)介護のICT補助金でもらえる金額とルール

厚労省 介護テクノロジー導入支援事業に関する解説ページ抜粋

2026年度の補助金は、介護を楽にするための「介護テクノロジー導入支援事業」が中心です。特に、いくつかの機械を組み合わせて効果を高める「パッケージ型導入」をすると、もっとたくさんのお金が出るようになっています。もらえる金額の上限は、使う機械の種類や、そこで働いている職員の人数、さらに住んでいる地域のルールによって細かく決まっています。

介護ソフトやICT機器(スマホなど)でもらえるお金

介護の記録をつける「介護ソフト」については、職員が何人いるかによって上限が変わります。人が多い事業所ほど、設定や使い方の練習に時間がかかるので、その分たくさんのお金がもらえるようになっています。

職員の数(フルタイム換算)もらえる上限額どんなところが対象?
1名~10名100万円小さな事業所など
11名~20名150万円
21名~30名200万円
31名以上250万円大きな施設など
人数に関係ない契約一律250万円ライセンス数で値段が変わらない場合

介護ロボットの種類ごとの上限額

介護ロボットは、国が「特にこれを使ってほしい」と決めている種類ごとに、補助の上限が決まっています。2026年度は、特に腰を痛めやすい「持ち上げ」や「お風呂」の助けになるロボットに、手厚いお金が出るようになっています。

機械の種類1台あたりの上限額具体的な例
移乗支援100万円つり上げ機や特殊なベッド
入浴支援100万円自動で体を洗う機械やリフト
その他の重点分野30万円移動やトイレ、見守りセンサー

パッケージ型導入(セット導入)

複数のテクノロジー(見守りセンサー+インカム+介護記録ソフトなど)を組み合わせて連動させる「パッケージ型導入」を行う場合、個々の上限ではなく、パッケージ全体での上限額が適用されます。

  • 補助上限額: 1,000万円

去年(令和7年度)と比べてどこが変わったの?

1. 補助率アップ(3/4)のための要件が厳格化・具体化

補助金を通常よりも多い割合(費用の半分ではなく4分の3)でもらうための条件として、以下の「共通のルール」や「サービスごとのルール」がはっきりと決められました。

項目令和7年度までの傾向(参考)※1令和8年度(2026年度)の要件(ルール)※2
お給料への還元努力義務的な側面が強かった仕事が楽になって経営(収支)が良くなった場合、「その分を職員のお給料に還元します」と、国への報告書に書くことが「絶対の条件(必須)」になりました(3/4をもらうための必須条件)。
専門家の活用伴走支援等の活用推奨程度だった「コンサルタントなどの第三者に手伝ってもらう」か、または「研修や相談などの支援を受けること」「絶対の条件(必須)」になりました(1/2の場合も必須)。
情報の共有(準備段階)国が進める「介護情報基盤(みんなで情報を共有する仕組み)」を使う準備をすることが、新しい条件に加わりました(1/2の場合も必須)。

2. 「パッケージ導入」では、「人」に関する条件が追加

介護のデジタル担当による新規システムのオンボーディング

見守りセンサーやインカム、ソフトなどをセットで導入して最大1,000万円をもらう「パッケージ型導入」において、機械だけでなく「人」についての条件が増えました。

  • 変わった点:そこで働く従業員が、「デジタル中核人材養成研修」という特別な研修を受けていることが、共通のルールとして明記されました。

機械を買うだけでなく、現場でデジタル化を進められる「リーダー」の存在が絶対に必要だとされたからです。

3. 「在宅系サービス」では、データのやり取りに関する条件が変更

ケアプランデータ連携システムを活用した包括的介護のイメージ図

訪問介護などの在宅系サービスでデジタル化(ICT導入)の補助をもらうための条件が、「やったらご褒美(ボーナス)」という形から、「やらないとダメ(必須)」というルールに変わっています。

令和7年度(R6補正含む):「ケアプランデータ連携システムを使って5つ以上の事業所とやり取りしたら、5万円をあげる※3」というボーナス方式でした。

令和8年度:補助(特に4分の3の補助)をもらうための「必須条件(要件)」となりました。ただし、申請する枠組みによって求められるレベルが異なります。

  • 通常のICT導入(介護テクノロジー枠)の場合:「令和8年度中にシステムを使い始める(利用する)こと※2」が求められます。「5事業所」という数のノルマはなく、まずはシステムを導入して実際に利用を開始することが、補助の前提として強調されています。
  • パッケージ型導入(高額補助枠)の場合:より要件が厳しく、「令和8年度中にシステムを利用し、5事業所以上とデータ連携を行うこと」までが求められます。

「5つの事業所」という数を目標にするよりも、まずは「システムを入れて実際に使い始める(利用する)」ことが、補助をもらうための前提として強調されています。

4. 「施設系サービス」では、話し合いの場(委員会)を作ることが必要

施設系(入所・泊まり・居住系)のサービスにおいて、見守り機器などを入れる場合の条件が具体的になりました。

  • 要件:利用者の安全を守ること、良いケアを続けること、そして職員の負担を減らすこと、これらを話し合うための「委員会」を作ることが求められます。 ※2

令和8年度は、機器を入れること自体よりも、「その機器を使ってどう業務を変えるか(第三者支援・委員会)」「誰が推進するか(デジタル中核人材)」「外部とつながれるか(データ連携・情報基盤)」というプロセスと体制づくりが、補助金を受け取るための必須条件として強化されています。

ICT活用で生まれた余裕で職員の『賃上げ』を目指すルール

移乗支援を行う女性の介護職員

2026年度の補助金で高い割合(4分の3)をもらうための重要な条件(共通要件)として以下の条件が定められています。

職場環境の改善を図り、収支が改善がされた場合、職員賃金への還元することを導入効果報告に明記
引用:厚生労働省:令和8年度概算要求の概要(老健局)の参考資料

どうやって証明するの?
機械を入れた後、計画通りに効果が出たかを一定期間報告する必要があります。具体的には、業務改善計画に基づいた生産性向上の効果(業務負担の軽減など)を報告することが求められます。
国は2025年12月から2026年5月にかけても、月額で最高1.9万円ほどの賃上げのサポートをしており、これと補助金の効果を組み合わせて、介護で働く人の収入を増やそうとしています。

「デジタル担当者」の研修とその内容

2026年度の補助金のパッケージ型導入で高い割合(4分の3)をもらうためには、「デジタル中核人材養成研修」という勉強会を受ける人が必要です。

何のために、誰が受けるの?
この研修は、ただ機械の使い方を覚えるのではなく、「どうすれば職場の問題をデジタルで解決できるか」を考えられるリーダーを育てるためのものです。

  • 対象になる人:介護の現場で3年以上働いた経験があり、今の職場でデジタル化を進めたいと思っている人。
  • やる内容:動画で予習して、オンラインでグループワークをして、自分の職場で実際に計画を立ててみる、という3つのステップで学びます。
  • お金:研修を受ける費用は無料です(国がお金を出してくれます)。

この勉強をしたリーダーがいることが補助金をもらう条件になっているので、早めに予約をすることが大切です。

生産性向上推進体制加算との組み合わせ

厚労省 生産性向上推進体制加算の解説ページ抜粋

補助金で機械を入れることは、国から別でもらえる「生産性向上推進体制加算」をもらうための準備にもなります。

  • 加算(II):見守りセンサーなどの介護テクノロジーを1つ以上導入し、職員の負担軽減や安全確保について会議で検討。そのうえで、業務改善の取組と効果をデータで示す。
  • 加算(I):加算(II)の取組を1年以上継続し、複数のテクノロジーを活用しながら業務改善を進め、少ない人員でも安全・質を保てている成果をデータで確認。あわせて、役割分担の見直し(介護助手の活用など)も行う。

補助金でセット導入をすれば、この加算も取りやすくなり、さらに経営が安定して、職員のお給料を増やすことができるようになります。

まとめ

2026年度(令和8年度)の介護ICT補助金は、ただ機械を買うためのお手伝いではありません。それは、日本の介護の仕組みそのものを「デジタルの力で新しく作り変えるための大きなプロジェクト」です。
色々な機械をセットで使い、リーダーを育て、他の事業所や病院とデータでつながる。これらはバラバラのことではなく、すべてがつながって「新しい介護の形」を作っています。
この変化の波に乗ることは、補助金でお金がもらえるだけでなく、将来、働きたい人から「あそこは働きやすい」と選ばれる事業所になるために、とても大切なことです。2026年度という節目の年に、一歩踏み出せるかどうかが、これからの10年の運命を決めると言っても過言ではありません。最新の情報をしっかりチェックして、自分たちの職場にぴったりの計画を立てていきましょう。

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