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レンタカーでインカム・トランシーバーの導入とDXによる課題解決
あらゆるサービス業で活用されているインカム・トランシーバーですが、レンタカーの営業所でも積極的に導入が進んでいます。すでにインカムを利用しているレンタカー営業所にとっては、スタッフ同士のコミュニケーション手段として欠かせないツールとなっていますが、その一方で無線機ならではの課題も残されています。 そこで、ここではレンタカーの営業所におけるインカム・トランシーバーの導入事例を紹介するとともに、インカムの課題を近年のトレンドであるDXで解決する方法をご紹介します。
レンタカー営業所のタイプと特徴
出張先や旅先に到着したら、移動手段の確保としてレンタカーで車を借りることはしばしばありますね。国土交通省統計調査によると、レンタカーの営業所は全国1万2000事業所を越えており、登録車両数は77万台以上となります。昨今は新型コロナが原因で需要が低迷していますが、徐々に回復基調にあり、旅行需要や訪日外国人観光客が戻れば、再び上昇基調となることが予想されます。
→国土交通省「レンタカー事業者数と車両数の推移」レンタカー営業所「ステーション」タイプの特徴
レンタカーの営業所は大きく分けて「ステーション型」と「立体駐車場」の2つのタイプに分かれます。 その内のステーション型は、一般的なレンタカーの営業所となります。駅前にあることが多く、規模は小さく、基本は2名のスタッフで賄われています。選べる車種は少ないですが、立地柄旅行者や出張者は重宝しますし、女性でも気軽に乗れるコンパクトカーから商品在庫をたくさん積めるハイエースのようなバンまで揃っています。
レンタカー営業所「立体駐車場」タイプの特徴
都心部に比較的多く、1棟すべてが自社所有で占有しているところもあれば、ショッピングセンターの立体駐車場スペースの一区画を間借りして営業しているところもあります。豊富な車種と車両台数を有しておりますが、その分需要が高く、ハイシーズンには旅行者で予約が埋まりますし、また、イベント時には法人が大量にレンタルしていくのも立体駐車場の特徴となります。
レンタカー営業所でインカム・トランシーバー導入のメリット
レンタカー営業所では、2010年頃からインカム・トランシーバーの導入が徐々に進み、現在では立体駐車場においては、スタッフ間の連絡手段として不可欠なツールとなっています。まだインカムを未整備の営業所にとっては、「そんなに業務効率変わるの?」と訝しく思うかもしれませんが、実際にインカムを導入済の店舗では、「インカムがあるおかげで走り回る必要がなくなる」、「防犯効果も非常に高い」と評判は上々です。 インカムの導入の可否を決める本社総務もしくは購買部のご担当者は、一度ロケテストや無料トライアルに申し込んで、業務レベルで試してみてはいかがでしょうか。結果的に人件費の削減、顧客情報漏洩防止、業務効率の向上、顧客満足度向上といったメリットに繋がるはずです。
レンタカー営業所におけるインカムの導入事例
では、レンタカー営業所では、実際どのような状況下でインカムの使用が考えられ、また、導入効果を実感するのでしょうか。
インカムならスムーズな配車が可能
レンタカーの営業所におけるインカムの使用例は、「配車時の運転スタッフと事務所スタッフの連携」にあります。上述したような小規模事業所のステーション型であればまだしも、立体駐車場の場合は、事務所から車両の停車場まで目視ができませんので、車両を配車したり、台数の確認をする際は、インカムを用いることによって大幅な業務改善に成功します。 一方でインカムがないケースでは、スタッフが事務所と駐車場を何往復もしなければなりませんし、スタッフを呼ぶために大声を出して周囲に迷惑をかけてしまうこともあります。 立体駐車場であっても現場スタッフが3人以上いることは少なく、基本は2人で事務手続きと配車の対処をしなければなりませんが、インカムがない場合、スタッフ同士のお互いの位置状況や現状の把握ができないため、状況によっては2人とも事務所を出払ってしまうこともあります。事務所には大切な顧客情報や現金が保管されていますし、防犯カメラで監視していても、盗難被害に遭ってしまっては、失ったお金や信用は戻ってはきません。
業務用無線機の使用でフロア間の連絡も可能
インカムには特定小電力トランシーバーと業務用無線機の2種あり、特定小電力トランシーバーは本体価格は安いですが、低出力なのでステーションタイプのレンタカーに適しています。一方で業務用無線機は法人向けとなる本格仕様のため、初期費用は相応にかかりますが、立体駐車場のようなフロアを跨いでの連絡も可能となります。 立体駐車場によっては1階の事務所から3~4階にいるスタッフとのやり取りも発生しますし、デパート内の営業所では、事務所は2階にあるものの、駐車場は4階と5階といったフロアが飛んでいるケースも時折見かけます。この場合でも業務用無線機を用いることによって、スタッフがどこのフロアにいても連絡を取ることができるのは、インカムの大きなメリットです。
→トランシーバー導入のコストは高い?かかる費用とおすすめの機種について徹底解説します。レンタカー営業所のインカム・トランシーバーの課題
ではレンタカーにとって、インカム・トランシーバーの導入は常に最善の選択なのかというと、実はそうでもありません。兼ねてよりインカムには使用する上で幾つかの課題が挙げられていますが、やはりレンタカーの営業所に導入する際も、インカム特有のデメリットはついて回ります。
立体駐車場ではインカムの電波が入りづらい
インカムは基地局を介さず、端末同士の電波の送受信で交信をするため、本体が発する電波の出力が直接飛距離に関わってきます。特定小電力トランシーバーは0.01Wと低出力のため、交信できるのはせいぜい1フロアとなります。しかし、立体駐車場は鉄筋コンクリート造となり、鉄筋は電波を通しにくい性質を持っているため、特定小電力トランシーバーだと同じフロア内でも通じないエリアが多々発生することが想定されます。 ただし、インカムのネックとなるのは、「この問題は業務用無線機であっても発生する」ということです。業務用無線機には新簡易無線の1Wと簡易無線の4W及び5Wがあり、レンタカーの立体駐車場で使用するのは、基本は4W機か5W機となります。しかし、上述したように鉄筋コンクリート造の立体駐車場では無線機の電波は弱く、特にデパートのようなぶ厚い鉄骨造の場合は、フロアを跨っての連絡に支障が出ることが頻繁に発生します。 もう少し具体的に説明すると、螺旋スロープや非常口、エレベーター付近であれば、フロアを跨ぐやりとりも大抵は可能となりますが、それ以外の場所ではノイズが発生して聞き取りにくくなるか、まったく聞こえない状況に陥るケースが考えられます。特にレンタカーの車両を駐車している場所は、往々にしてスロープやエレベーターから離れているため、このデメリットは解決できない問題として昔から悩まされています。ちなみに4W機と5W機による飛距離の違いは実感できるほどなく、「4W機で通じないが5W機だと通じる」といったケースは非常に稀のため、期待はあまりできません。
→トランシーバーの通信距離はタイプにより異なる【伸ばす方法も紹介】業務用のアナログ無線機は2024年12月以降使用ができなくなる
業務用無線機は、アナログ無線とデジタル無線機の2種が現在市場に流通しており、レンタカーにおいては、まだアナログ無線機を使い続けているところが多くある印象です。しかし、アナログ無線機は電波法の改定により、2024年12月1日以降は使用が禁止されます。 現在アナログとデジタルのデュアルモードを搭載している無線機を使用しているレンタカーは、一度販売店に本体を送り、アナログ方式の電波を遮断する必要性が出てきます。
一方でアナログ無線機を所有しているレンタカーが今後とるべき選択肢は、
- 2024年11月末までにデジタル無線(登録局)に全台買い替える
- アナログ無線機を返納し、新たな連絡手段・コミュニケーションツールを探す
となります。どちらがいいかはレンタカー本社の運営方針や予算によるため一概には言えず、期日までの吟味が必要となるでしょう。
→アナログ無線機が2024年12月1日で廃止に!使用期限前にやるべき対処法レンタカー営業所に推奨の音声DXとは
上記で紹介したレンタカーにおけるインカムの課題は、無線機の出力が法律で決まっている以上、アナログからデジタルに移行したとしても、解決することは基本的にできません。
そこで、立体駐車場をはじめ、インカムでの連絡が困難なレンタカーにおすすめしたいのが、「音声DX」による最新のコミュニケーション・ツールです。
近年注目されているDXとは、最新のITテクノロジーを導入及び浸透させることにより、企業全体の大幅な業務改革を目的とするものとなります。音声DXを駆使することにより、従来のインカムの課題を解決し、さらに発展した「次世代の通信手段」として現場で活躍することができます。
スマホによる音声連絡とインカムの比較
インカムや構内PHSといった連絡手段の導入を見送っているレンタカーでは、スタッフ同士の意思疎通は主にスマホを介しているのが現状となります。昨今ではインターネット環境があれば、FacebookやLINEといったSNSが持つ音声通話機能を使うことも可能なため、一昔前に問題視された「通話料の肥大化」は防ぐことができます。しかし、常時音声通話モードを起動させるわけにもいきませんし、スマホを弄るたびに画面の切り替えやタップ動作が発生し、多忙な時間帯に業務効率を求めるために活用するには、いささか現実的ではありません。
次世代DX「スマホインカム」で課題を解決
そこで、次世代DXとしてサービス業の間で注目されているのが「スマホインカム」と呼ばれる音声ツールです。文字通りスマホとインカムの特徴を掛け合わせた連絡手段となり、各社が提供する専用アプリをインストールすることによって、スタッフ間の音声通話を可能とします。
- スマホの同時通話機能を踏襲
- インカムのチャンネル設定(グループ分け)を踏襲
- Bluetoothによるワイヤレスを実現
上記がスマホインカムの特徴となる機能となります。チャンネル設定によるグループ分けについては、3人以上のスタッフ間で連絡を共有する際に使い、例えば配車をするスタッフ同士でのグループと、配車スタッフと事務所スタッフのグループに分けることにより、不要な情報共有がなくなります。
災害時やトラブルが発生したときの円滑な連絡と解決
また、2000年代初頭より企業の間で囁かれ始めた「BCP」においても、レンタカーの営業所ではインカムやスマホインカムを導入することにより、災害時の早期の事業再生を可能とします。
BCPは「事業継続計画」と呼ばれ、災害時に企業の被害を最小限に抑え、一刻も早い事業の復旧・立て直しを図るのが本来の目的となります。
しかし、ご存知の通りレンタカーのような地域住民を顧客としたサービス業においては、自社の被害を抑えるだけではなく、レンタカーの利用者や周辺住民(ステーションであれば駅周辺の人。デパート内の立体駐車場であればデパートの利用客など)への誘導や救助も必要となり、それらを含めてのBCP対策を検討しなければなりません。
そのため、無線機やスマホインカムを導入することは、自社の危機管理対策にも繋がることになります。
レンタカー営業所におすすめしたいDXツール「BONXWORK」とは
上記で触れたスマホインカムは、日本国内では複数社が独自のサービスを提供していますが、レンタカーの営業所におすすめしたいのは「BONX WORK」というDXツールです。株式会社BONXが提供しているアプリで、サブスクリプションに登録することによって使用することができます。 通常の音声通話だけではなく、特殊技術により音声は瞬時にデータ化され、録音はもちろん自動テキスト化してグループ内に一斉送信もすることができます。
レンタカー営業所におけるBONX WORKの使用例
BONX WORKは専用のBluetoothイヤフォンマイクを提供しており、こちらを使うことによって、本体を注視することなくハンズフリーで会話をすることができます。使用感としてはほぼインカムと変わらないですが、同時通話のため電話感覚でグループ内全員と会話することができるのが大きな特徴です。BONX WORKを使用したあとでインカムを使ってみると、「やはり受信と送信が同時にできないインカムでは、込み入った会話やトラブルが発生したときの一刻も早い情報伝達の際に煩わしさを感じる」という声が多く、交互通話におけるデメリットを改めて実感する人が多いようです。
インカムと比較した際のBONX WORKの優位性
インカムと比較した際、BONX WORKはスマホを活用することになるため、「余計な経費がかからない」ことが魅力に挙げられます。仮に自社でスマホを調達してスタッフに貸し出したとしても、インカムの導入費用と比較すると大きな経費の節約となります。 また、BONX WORKはインターネットに接続できれば、距離は無制限となりますので、レンタカーの現場スタッフと、遠く離れた本部とのやり取りも可能ですし、現場スタッフが休憩に出たときも、スマホを持って出ることによって、不測の事態が発生した際にすぐに呼び戻すことができます。
→ 無線機を業務活用するなら業務用トランシーバーがおすすめな理由と「BONX WORK」という選択肢レンタカー営業所はインカムに代わる新たな連絡手段の確保が急務
現状業務用無線機を導入しているレンタカーは、2024年までにデジタル無線機に切り替えなければなりません。免許が切れるタイミングで、新しい連絡手段を検討するのであれば、ここで紹介した「スマホインカム」がおすすめです。次世代のインカムとして、まずは試験導入してみてはいかがでしょうか。