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建設現場における音声DXの活用事例と次世代ツールのすすめ
建設現場で使用されるデバイスやツールは年々進化しています。そんな中で「音声DX」という言葉を聞いた事があるという方もいらっしゃるかと思います。 音声とDXを組みわせた音声DXですが、具体的にはどのような改革のことを指すのでしょうか。 また導入までの過程やその施策に対して得られるメリットに関しても広く知られていません。 次世代インカムアプリBONX WORKの導入事例を参考に、現場コミュニケーションを活性化させる方法や仕組みをご紹介します。
DXとは「デジタル・トランスフォーメーション」
DXとは「デジタル・トランスフォーメーション」の略で、スウェーデンのウメオ大学教授であるエリック・ストルターマンが提唱した概念です。教授は「IT技術の浸透は人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」と発言しています。少し難しい言葉ですが、これは私達の生活がIT技術によって便利になっていくという意味です。 またDXはビジネスの場で「仕事やサービスを変化させ、市場の競争において有利な立場に立つ」と意味する事もあります。どちらの意味にしても、DXは私達の生活や業務に大きな変化をもたらすという事です。 DXとはIT技術を駆使して新たなビジネスを打ち出すこと、デジタル化により既存の業務の効率化を図ること、その結果モノや仕組み、サービス、組織に新たな価値を創出することを言います。 だだ新技術を導入するだけでなく企業組織のビジネスモデルのイノベーションがDXの成功例だと言えるのです。DXっていったい何?その意味や重要性、事例をわかりやすく解説
音声DXは音声を使ったデジタル技術
先述したDXの概念を基に考えますと音声DXは音声技術を使ってビジネスモデルレベルの改革を行う事だと言えます。 音声を用いたDXで近年注目を集めている技術について一部ご紹介します。
電話のDX
建設事務所で使われる固定電話もDX化が進んでいます。具体的にはAIやITを用いたデジタル音声で着信者を誘導し、従業員が電話を受ける手間を軽減するという取り組みです。 自動音声案内システム(IVR)やクラウド電話サービス、 自動電話 応答システムがこれに当たります。 以前よりカスタマーサポートではお客様がかけた電話に対して要件に合ったオペレーターに繋いだり、よくある質問に関してはAIが自動音声で回答するといったデジタル化を推進しています。 特にカード会社や携帯会社、公共料金などの質問はオペレーターに繋がずとも自動音声で質問を解消できる場合も多く、コールで繋ぐよりも簡潔に済みます。 建設事務所には道路や施工現場に関する状況の確認、公園遊具等に関する通報や近辺住民からの問い合わせなど多くの質問が届きます。そこで電話対応の一次受付を自動音声に切り替えることで質問内容に合った適切なオペレーションが可能になるのです。
神戸市は令和3年より建設事務所と共同で公共施設および道路工事の問い合わせを自動音声案内システム(IVR)へ切り替える取り組みを実施。かねてより推進していた「道路公園110番」の一層の活用にも効果的としています。 ご紹介したのは神戸市の取り組みですが、個人法人関係なく建設現場の電話受付をデジタル化も視野に入れてみてはいかがでしょうか。人件費の削減・負担の軽減およびカスタマーサービスの向上につながります。建設事務所へのIVR(自動音声応答システム)の試行導入について
インカムアプリ
建設現場では従業員同士の円滑なコミュニケーションが施工技術や作業スピードに大きく関係してきます。特に施工管理や現場監督は作業がどこまで進んでいるのか各管轄の進捗状況を把握することが大事です。 建設で使われているコミュニケーションツールといえば無線機やインカム、携帯電話でのやり取りが一般的だと言えます。 ヘルメットにインカムを備え付け腰に本体を装着する形で運用しているかと思いますが、従来機ですとノイズやコードの煩わしさに悩まされることもあるでしょう。 近年ではそんな通信課題を解消するインカムアプリという音声DXが建設企業から高い関心を得ています。 インカムアプリは携帯電話と同じネットワークを経由してデータ通信を使用するため距離に制限はありません。無線機本体の代わりとなるのはお手持ちのスマホで専用アプリをインストールして利用します。 従来機のように免許取得・登録申請の必要はなくスタッフ全員に手軽に支給しやすいというのも利点です。 Bluetooth対応ワイヤレスイヤフォンとスマホをペアリングすることでワイヤレス通信が可能になります。 さらに複数名での多重同時通話にも対応しているため、無線機のようにボタンを押しながら交互に話す必要はなくチーム全員での自然な会話が実現できます。 一方で媒体が携帯であるため支給するまたは従業員の個人携帯を使用する必要があります。また毎月携帯のデータ通信料がかかる点も考慮して導入を検討してみるのが良いでしょう。
建設現場における音声DXの事例
音声DXは身近になりつつありますが、建築現場ではどうでしょうか。実は建築現場において音声DXは年々推進されており、今やなくてはならない存在なのです。それでは現在音声DXがどのように進められているのか、見ていきましょう。 また以下の記事では建設現場と音声DXの相性の良さについて解説しています。建築現場と音声DXの相性は良い!その理由をご紹介
建築現場における音声DXの事例①三井住友建設株式会社
建築現場では年々外国人労働者が増えていますが、言語の違いでどうしても壁ができてしまう事があります。そこで三井住友建設はスタッフ同士の言語の壁をなくす音声自動翻訳アプリを開発しました。これによりスタッフの言語・心の壁を取り払い、働きやすい環境になるであろう事が見て取れますね。今後はより話し言葉に近い言い回しや建築現場の専門用語に対応していきたいとの事です。 出典:BUILT https://built.itmedia.co.jp/bt/articles/2104/15/news084.html
建築現場における音声DXの事例②株式会社奥村組
株式会社奥村組では音声認識型スマートグラスを使用しています。これは目でミリ単位の寸法が図る事が可能で、さらに映像・音声を監督官に送信する事もできるのです。この技術によりこれまで監督官が目視で行っていた確認の回数が減少し、監督官の負担も減ったそうです。さらに対応に省かれていた人材も最大限活用できるようになったとの事。作業効率がスマートグラスの利用により上がった事が分かりますね。 出典:ツギノジダイ https://smbiz.asahi.com/article/14194220
建築現場における音声DXの事例③戸田建設株式会社
こちらの動画では、戸田建設株式会社がインカムアプリBONX WORKを利用した様子が映し出されています。建築現場では指示に沿って作業を丁寧に、尚且つ早く進めていく必要がありますが音声DXの推進によりそれが実現できたことが分かります。このように、音声DXを推進する事で現場の環境や作業効率が改善されていくのですね。
建設における音声DXの課題
これまで建築現場での音声DXを推進した事例をご紹介してきましたがシステムの導入には費用とランニングコストが発生します。 また新規システムを現場全体で使いこなせるまでに時間を要するというのも課題点です。特に大規模な工事現場では各企業から派遣されたスタッフと共同で施工することもあるため、より使いやすく手頃に導入できるツールであることが前提だと言えるでしょう。 音声DXは通常のDXとは異なり、従業員の労働負荷を軽減やより良い現場作りやチームの関係性を深めることが可能です。 音声DXはオペレーションの改革やコミュニケーションの改善によって業務の効率化を実現する効果的な取り組みですが、実際には施工システムやクラウド管理システムのDX化が先行し音声DXまで手が届かないといった状況も見受けられます。 建設現場では近年様々なデジタル技術が普及されていますが、デスクサイドだけでなく現場コミュニケーションの見直しによって業務を円滑に進めていくことも重要なのかもしれません。
インカムアプリBONX WORKについて
弊社では「BONX WORK」というサービスを提供しています。 この「BONX WORK」はこれまで建築現場が音声DXを推進する際に抱えてきた課題を解決するツールとなるのです。そこで、「BONX WORK」の特徴を見ていきましょう。
BONX WORKについて①イヤフォンがトランシーバーへ
「BONX WORK」専用アプリとBONX純正イヤフォンマイク「BONX Grip」,「BONX mini」「BONX BOOST」を接続する事でイヤフォンがトランシーバーに早変わり。離すと自動的に接続が開始され、通話者全員に声が届くのです。また接続も従来のトランシーバーとは違ってインターネットで行うため、どんなに離れた場所にいても会話が可能です。
BONX WORKについて②グループトークが可能
「BONX WORK」はリアルタイムの会話だけではなく、グループトークも実現しました。お手持ちのスマホでメッセージによるやり取りができますし、さらには音声や画像まで送れます。そしてメッセージは音声読み上げに対応しているので、わざわざスマホを開かなくても内容が分かります。
BONX WORKについて③低コストで運用可能
ここまで機能が揃っているとコストが掛かるのでは?と思ってしまいますよね。ですがそれもご安心ください。「BONX WORK」アプリはエントリープラン/ビジネスプランから選ぶ事ができますし、エントリープランでは1アカウントにつき月額500円からという価格。 さらに2021年8月から弊社は純正イヤフォンマイクを提供するサブスクリプションプランをご用意しました。 詳細な機能や価格についてはBONX WORK 公式ウェブサイトをご覧ください。
まとめ
今回は建築現場における音声DXの事例についてご紹介しました。今や建築現場にとって音声DXは無視できないキーワードです。音声DXを推進する事でスタッフ同士連携が取りやすくなり、身体的負担が軽くなるというメリットがありました。またこれからも建設現場で様々なデバイスを使用している場面を目にする事でしょう。これからの建築現場の変化が楽しみですね。
ここまで読んで頂きありがとうございました。建設業及び工事現場でDXを促進すべき3つの理由【課題と対処方についても解説】