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介護施設のインカム導入費用を最小限に抑える方法。価格と付加価値で見る最適解

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介護施設では、職員同士がスムーズに情報を共有できる体制が安全で質の高いケアを提供するために欠かせません。
その手段の一つとして、近年注目されているのがインカム(業務用トランシーバー・無線機・通話システム)の導入です。

しかし、いざ検討を始めると「どの種類が自施設に合っているのか」「どのくらいの費用がかかるのか」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、介護現場で実際に導入されているインカムを中心に、種類別の価格相場を一覧で整理し、施設規模や用途に応じて費用を抑えながら導入するポイントをご紹介します。

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購入・レンタル・アプリ型で比較するインカムの選び方

有料老人ホーム イメージ

インカムには、購入・レンタル・アプリ型など複数の導入方法があり、用途によって選び方が大きく変わります。
種類によって通信方式や費用、運用のしやすさもそれぞれ異なるため、利用シーン・導入期間・人数・予算に応じて最適な種類を選ぶことが重要です。 本記事では、専用端末型の特定小電力トランシーバーデジタル簡易無線IP無線機と、スマートフォンを使うアプリ型インカムのスマホインカムに分け、それぞれの特徴や違いを比較します。

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介護施設で使われるインカムの種類と価格相場

種類・導入形態価格相場(目安)特徴・メリットデメリット・注意点
① 特定小電力トランシーバー本体価格:約5,000〜20,000円免許・資格不要で手軽に導入可能・ランニングコストは電池代のみ通信距離が短い(約200m)ため、広い施設や多層階では繋がらない場合がある
② デジタル簡易無線本体価格:30,000〜80,000円※登録が必要通信距離が長い(約1〜2km)・特定小電力より出力が高く安定する初期費用がかさむ・免許登録や電波利用料がかかる場合がある
③ IP無線機本体価格:約60,000〜120,000円超※別途、月額通信費が必要携帯電話網を使うため通信距離が無制限・地下や大型施設でも繋がりやすい端末代が最も高額で、導入ハードルが高い・毎月の通信費が必ず発生する
④ スマホインカム(月契約 or 年契約)初期費用:0円〜(既存スマホ+イヤフォン流用時)月額利用料:1アカウント 500円〜初期費用を最小限に抑えられる距離無制限補助金の対象月額費用が発生する・スマホやイヤフォン等の周辺機器が必要

インカムを購入するメリット・デメリット

① 特定小電力トランシーバー

メリット:機器本体が安く、月額費用もかからないため、とにかく初期コストを抑えたい場合に適しています。免許・資格が不要で購入してすぐに使えます。
デメリット:通信距離は約200m程度です。介護施設では、居室の奥、浴室、別フロアなどで電波が届かないリスクが高く、連絡手段として機能しない場合があります。

② デジタル簡易無線

メリット:見通しが良い介護施設の敷地内や2フロアまでの建物内であれば概ね通じます。インターネット環境に依存せず、災害時やオフライン環境でも確実に通信できます。
デメリット:10台揃えるだけで30万〜50万円かかる恐れがあります。バッテリーが大きく重量があるため、介助中に「服がずり落ちる」「入居者に当たってしまう」といったトラブルの原因になります。

③ IP無線機

メリット:携帯の電波が入る場所なら、地下でも遠隔地(送迎車など)でも繋がります。
デメリット:本体価格が非常に高額なうえ、毎月の通信費もかかるため、介護施設で全台数分を「購入」で揃えるのは費用対効果が悪く、ハードルが高い選択肢です。

④ スマホインカム

メリット:距離無制限かつ複数名で同時通話ができ、ワイヤレスで業務中も身軽に動けます。施設支給端末または個人スマホ活用することで初期費用を大幅に抑えられます。補助金を活用し、導入費用の負担をさらに減らせる可能性があります。
デメリット:アプリの月額利用料が発生します。施設内にWi-Fi環境やモバイル通信環境が必要です。

結論:インカム購入のポイント
価格と性能のバランスを見ると、以下のような判断基準になります。

  • 予算重視で小規模な施設:特定小電力(ただし「繋がらない」リスクあり)
  • 品質重視だが重さは妥協できる:デジタル簡易無線
  • コスパ・軽さ・将来性を重視:スマホインカム

インカムをレンタルする場合の価格相場

タイプ1泊2日2泊3日
① 特定小電力トランシーバー約2,200円〜約2,420円〜
② デジタル簡易無線機約3,000円前後約4,000円前後
③ IP無線機約5,500円約8,000円

レンタルのメリットデメリット

メリット:購入する場合、高性能なインカムは1台で約100,000円の費用がかかりますが、レンタルであればこれらの初期投資が不要です。免許申請や登録手続きの手間もありません。
デメリット:日常利用ではコストが割高になります。レンタルの相場は1泊2日で1台2,000円〜4,500円です。利用日数が増えるほど料金が加算される仕組みのため、24時間365日稼働する介護施設で常時レンタルし続けると、わずか数週間で購入価格を上回ってしまいます。

結論:介護施設でレンタルはどう使うべきか
  • 推奨されるシーン:「季節性の高いイベント」「大規模な研修」「導入前の電波テスト」など、2〜3日程度の短期利用。
  • 非推奨のシーン:「毎日の業務連絡」「夜勤の見守り」などの常用。

介護施設におけるインカム導入の注意点

無線機イメージ

導入費用とランニングコストが高くつくケースがある

インカムの選び方を誤ると導入費用やランニングコストが想定以上に膨らむケースがあります。
特に、無線機を購入する場合は本体価格に加え、イヤーピースやバッテリーなどの消耗品費用、故障時の修理費が継続的に発生します。
さらに、以下のような付帯費用が必要となるケースも少なくありません。

  • 予備バッテリー・充電器・乾電池
  • 有線イヤホン・専用ヘッドセット
  • アンテナ・中継機(レピーター)
  • 設定・初期セットアップ費用 ※チャンネル設定やグループ分けを業者に依頼する場合
  • 点検・保守対応費用
  • 免許申請・登録に関連する費用(デジタル簡易無線)

インカムアプリは初期費用は抑えられますが、人数分の月額料や経年劣化によるスマホ・イヤホンの交換費が長期的にかかる点に注意が必要です。

導入時は初期費用だけで判断せず、数年単位での総コスト(TCO)を見据えて比較・検討することが重要です。
加えて耐用年数(無線機の場合は4〜5年が標準)や堅牢性を考慮することで、導入後のトラブルや追加コストを防ぎ、長期的に安心して運用することができます。

インカム導入で負担増の可能性

介護施設では、ナースコールや見守りセンサー、介護記録ソフトなど、さまざまなICTシステムが稼働しています。しかし、これらのツールを扱う端末を複数持ち歩くことが職員の負担になっています。
特に、重い専用端末型のインカムを導入すると、身体的な負担がかえって増える場合があります。
また、端末の使い分けや持ち替えに伴う管理コストも考慮して導入することが大切です。

介護のインカム導入では補助金を活用できる

介護施設のインカム導入は、介護テクノロジー導入支援事業(旧:ICT導入支援・介護ロボット導入支援)を活用することで、補助対象となる場合があります。
対象となるのはICT化に対応し、見守りセンサーや介護記録ソフトなど他システムと連携できるスマホインカムが基本となります。
一般的な無線機(特小・IP無線機など)は対象外となるケースが多く注意が必要です。

補助金を活用することで、インカムの導入費用を国が負担する割合を最大3/4まで引き上げることが可能となります。

例)スマホインカムを30名で利用する場合
1セット 26,000円 × 30 = 総費用780,000円
補助率3/4の場合:780,000円 × 0.75 = 585,000円
施設負担は780,000円 − 585,000円 = 195,000円

※アプリ利用料・・・1名あたり6,000円/年|イヤフォン・・・1台あたり20,000円で試算

介護施設へのインカム導入費用を最小限に抑える方法

介護施設でのインカム導入は、単に本体価格だけで判断するのではなく、運用コストや補助金活用などを含めた総合的な費用対効果を検討することが重要です。

他に導入を優先すべき介護システムが高額で、まずは予算を抑えたい場合は、特定小電力トランシーバー(特小)の導入が現実的です。 一方で、将来的な加算取得や業務効率の最大化、費用対効果を重視する場合は、スマホインカムの導入が有利です。

インカムは介護ロボットやICT機器の中でも比較的コストを抑え、短期間で導入できるツールです。そのため、施設の状況に応じて、導入のタイミングを見ながら予算編成に組み込むのも一つの方法です。

結論:価格を抑えるポイント
  • 目的に応じた端末選び:低コストで暫定導入するなら特小、業務効率化や加算取得を見据えるならスマホインカム。
  • 補助金の活用:初期費用を抑えられる可能性があるため、自治体や国の制度を確認。
  • 運用コストの確認:月額料金や保守費、バッテリー交換費など、長期的なコストを含めて比較。
  • 将来的な拡張性:見守りセンサーや介護ロボット、LIFE連携など、今後のDXに対応できるかも考慮。
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