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映像と音声がつながる“次の現場DX”:プロダクト開発が描く未来のリアル

映像と音声がつながる“次の現場DX”:プロダクト開発が描く未来のリアル イメージ

【対談者プロフィール】
天沼 徹太郎(セーフィー株式会社)
営業本部 第2ビジネスユニット 副部長。建設業界を中心に、商品企画・開発やアライアンスなどの事業戦略に従事する。

國生 啓佑(株式会社BONX)
CEO室 事業開発。新規事業開発およびアライアンスを担当。建設、小売、介護領域などを中心に、音声と他社のアセットを掛け合わせた新しい価値の創出に従事する。

前回の営業担当者同士の対談では、建設現場の最前線で起きている変化について語り合いました。今回は視点を「つくる側」に移し、SafieとBONX WORKの企画・開発に携わる二人が、両社の連携によって生まれる「少し先の未来」と「現場の進化」について語ります。

開発・企画担当が語る、連携の舞台裏

“つくる側”の視点から:お互いの役割とチーム体制

―まずはお二人の役割と、普段どのような視点で業務に取り組んでいるか教えてください。

BONX國生_対話風景

國生(BONX):
私はCEO室に所属し、主に新規事業開発とアライアンスを担当しています。セーフィーさんとの資本業務提携をはじめ、他社のプロダクトとBONX WORKの音声ソリューションを掛け合わせて、業界特化型のソリューションを作り込むのがミッションです。
業界は問わず見ていますが、優先度が高いのは建設、あとは小売や介護ですね。新しい価値を作りに行くために、社内のアセットを活用しての「新規事業開発」と、他社のアセットも含めて有効活用していく「アライアンス」の2軸で動いています。

Safie天沼様_対話風景

天沼(セーフィー):
私は元々、建設会社(ゼネコン)出身で、セーフィーに入社してからは事業開発部で横断的にアライアンスなどを担当していました。2025年1月からは、お客様の現場により近く寄り添えるよう、建設・インフラ・ハウスメーカーといった「現場」を持つお客様を担当する営業部の中に入りました。
営業の最前線に身を置きながら、現場の声を拾って商品企画やアライアンスにつなげる。いわば、企画と営業の「つなぎ役」のようなポジションで、特に建設業界をメインに動いています。

國生:
その動き方は組織作りとしても大変参考になりますね。現場の声を解像度高い形で開発や企画側にフィードバックが自然になされるような環境作りは、プロダクト開発において非常に重要なポイントだと思います。

ーそれぞれの社内での開発チームとの連携においては、お二人はどのようなコミュニケーションを取っているのでしょうか?

國生:
エンジニアや企画のメンバーで「どのような良いものが作れるか」というプロダクトアウトな発想で議論する動きと、個別の具体的な案件を進めながら具体的なユースケースやニーズを伝えていくセールス寄りの動き、この両輪が回っているイメージです。プロダクトの開発フェイズによってその比重は変わっていきますが、基本的にはその両輪がバランスよく回るように意識して動いています。

BONXとSafie社員によるデスクでの対談

天沼:
そうですね。私は國生さんとは少し対照的で、どちらかというとお客様に近い立場で、現場の声を今走っている企画やプロダクト開発の部隊にフィードバックし、どう組み込んでいくか、というマーケットインの動きを強く意識しています。

「映像×音声」で変わる現場のリアル

映像の“記録性”、音声の“即時性”

ー具体的に「映像」と「音声」が連携することで、現場のどのような課題が解決できるのでしょうか?

天沼:
建設業界では、コロナ禍をきっかけにTeamsやZoomを使った遠隔での立会検査などが普及しました。ただ、これらは「日時を決めて」「PCの前で」行うことが前提のツールです。
我々が目指しているのは、そうしたスポットの利用ではなく、「常に使っていることが前提」の世界です。BONX WORKであれば常に耳についていていつでも会話ができる、Safieであれば映像が常時クラウドに録画されている。この「常時接続性」が、既存のWeb会議ツールとの大きな差分だと思います。

建設現場スタッフのBONXとSafieの使用イメージ

國生:
それに加えて、建設現場は雨も降れば埃も舞うタフな環境で分厚い手袋をつけていることも多い。そんな中でスマホを取り出して操作することがいかに煩わしいかという点を現場に出ていて感じます。
そんな中でBONX WORKはハンズフリーで使えますし、Safie Pocketなら身につけるだけで良い。この「タフな環境でスムーズに使える」という点も大きな利点としてコメントいただくことが多いです。

BONX Stickの装着イメージ

天沼:
そうなんですよね。私が現場にいた頃、トラックの運転手さんは常にイヤホンをつけているのに、建設現場の人は片手を塞いで電話をしているのが不思議でした。「なんでこれやらないんだろう?」とずっと思っていたところにBONXさんが現れて、そこをゲームチェンジしていった感覚があります。
特に「OpenComm2 PTT」のような「耳を塞がない」デバイスが出てきたのは大きいですね。装着していることを忘れるくらい自然に、常にチームとつながっている状態が当たり前になっていくと思います。

現場で生まれるシナジー:帳票作成と安全管理

ー「常時つながっていること」が、業務の効率化にどう結びつくのでしょうか?

BONXとSafie社員によるカジュアルな対話風景

國生:
そもそも「常時つながっていること」そのものが業務の効率化に密接に関係があると思っています。インシデントが発生した際、すぐに関係者全員に伝えて対応速度の向上が見込めますし、新人さんが何か困ったことがあった際にすぐに上司に聞けるという環境は、効率的に作業を進めることや心理的安全性の向上にもつながります。

さらに「野帳(やちょう)」という現場で使用するメモ帳があります。現場で紙に書いて、事務所に戻ってPCに入力する。これが残業発生の原因の一つになっています。
そこで、BONX WORKを使って音声で簡易的にボイスメモを残し、その時のSafieの映像データを引っ張ってくる。音声だけでは足りない情報を映像で補完し、リアルタイムに記録が残るようになれば、事務所に戻ってからの「あの記録なんだったっけ?」という無駄な確認作業も無くなっていきます。

天沼:
AIの進化で、その記録が格段に取り出しやすくなりましたよね。
現場が本当にやりたかったのは、「現場を回って帰ってきた瞬間に、画像とテキストがまとまった帳票や指示書が出来上がっている」という世界です。これまではiPadで一生懸命タイピングしていたのが、普段通りの業務(会話と撮影)をしているだけでアウトプットが自動生成される。
この1年くらいで、その未来がようやく「始まったな」と感じています。

ー安全管理の面ではいかがでしょうか?

Safie天沼様の単独インタビュー風景

天沼:
カメラ映像をAIが解析して危険を検知する技術は進んでいますが、今までずっと「ラストワンマイル」が埋まらなかったんです。つまり、「本当に危険な行動をしている本人に通知を出す」手段がなかった。
これまでは現場のスピーカーを鳴らすか、管理者のチャットに飛ばすくらいしかできませんでしたが、全員がBONX WORKを使っていれば、危険な行動をしている本人に直接アラートを出せるようになります。事故が起こる前に注意をする、ということが自動化できる世界がもうすぐそこまで来ています。

國生:
音声というラストワンマイルを我々が押さえているからこそできることですね。

教育・育成の新しい形:若手への技術承継

ー人手不足が深刻な建設業界において、「若手育成」も大きな課題です。今後どのように変化していくとお考えですか?

國生:
ベテランの所長クラスと若手の間の「ミドル層」が減っている中で、いかに技術承継をしていくかは切実な課題だと伺う機会が多いです。
例えば、熟練の所長がいつもどう指示を出しているか、その音声を全てデータ化し、映像とセットでAIに学習させれば、「所長AI」のようなものができて、若手への指示出しのサポーターになる未来もあるかもしれません。

BONX國生の単独インタビュー風景

天沼:
それは面白いですね。現時点でも、若手がカメラをつけて現場を巡回し、遠隔から元所長のようなベテランがチェックして、リアルタイムに「そこ危ないよ」「ここはこう見るんだよ」とBONX WORKで教えてあげる。こういう使い方はすでに出てきています。
教えることを得意とする人が、移動することなく、複数の現場の若手を遠隔で教育できる。これは非常に価値があると思います。

國生:
そうですね、例えばインシデントが起きた前後の会話データと映像は、事後検証や人材教育において非常に価値があります。「こういうコミュニケーションが抜けていたから事故につながった」といった教訓がデータとして蓄積されていき、暗黙知を形式知として活用できるようにしていきたいです。

現場だけではなく会社全体の課題解決を提案できるようになる

ーお互いのサービスと連携することで、どのような可能性を感じていますか?

Safie Pocket2 Plusのイメージ

天沼:
最初は「現場で検知した異常通知先」としてのBONX WORK、というイメージでしたが、最近は「AIとの対話インターフェース」としての強さを感じています。
現場の人がAIに指示を出す、あるいはAIから情報を引き出すためのツールとして、BONX WORKは最強です。「カメラをこっちに向けて」と声で指示したり、BONX WORKをきっかけに映像を取得したり。人の指示を受ける一番最初のインターフェースとしてつながっていくと面白いですね。

國生:
我々からすると、これまでは「耳と口」しかなかったところに、セーフィーさんと組むことでいきなり「目」が搭載されたように整理しています。
音声だけでは伝えきれない情報を映像が補完してくれる。特に建設現場において映像が持つ情報量は圧倒的なので、非常に相性がいい組み合わせだと確信しています。また、現場全体、会社全体の課題解決として両社の製品を提案できるようになることで、これまでリーチできなかった層へも広げていける期待をしています。

連携開発の現場で考えていること

ー開発や企画の現場では、どのようなことを意識されていますか?

天沼:
セーフィーは多種多様な業界の成功事例を横断的に把握しているからこそ、特定の領域で最高のパフォーマンスを発揮しているBONXさんと組むことで、自社ですべて開発せず、スピーディーにお客様に価値を提供できる。
「我々の本体機能のアップデートはまだだけど、BONXさんとの連携ならすぐこれができます」という話ができるのは、営業として非常に助かっています。

國生:
我々くらいの小さな所帯ですとスピード感が何よりの存在価値の厳選なので、それにはこだわって推進しています。あとは徹底的に「解像度を高める」ことを意識しています。私も建設現場はもちろん、介護や小売の現場にもどんどん足を運びます。現場でしか得られないインサイトがあるので、そこを肌で感じながら企画・開発することを徹底しています。

最後に:これからの協業と読者へのメッセージ

現場DXを共に推進する仲間として

ー最後に、現場DXの推進についての意気込みをお願いします。

Safie企業ロゴを背景にBONX社員とSafie社員のツーショット

國生:
我々が目指しているのは、「現場の誰にとっても分かりやすいDX」です。
例えば、従業員同士で話したい時はPush To Talkボタンを押すだけ、帳票を入れる時はTriggerボタンを押すだけで済む。高機能なマウスのようにボタンが10個もあるようなものではなく、現場の方が直感的に使える、説明書がいらないような体験を作っていきたいです。
とはいえ、我々が思う「分かりやすさ」が現場にとって正解とは限らないので、ぜひ現場の皆さんと対話しながら、一緒に新しい当たり前を作り上げていきたいと思います。

天沼:
國生さんのおっしゃる通り、機能過多になりがちな中でUX(ユーザー体験)を洗練させるのは本当に大事ですね。
私は、現場の仕事をDXするというのは、課題解決の中で一番難しいことだと思っています。働いている人数も多いですし、長年のやり方を変えたくないという心理も働きます。
でも、「一度変わったら、二度と元には戻らない」というレベルまで便利さを体感してもらえれば、世界は変わります。スマホがない時代に戻れないのと同じです。
AIの進化で、ようやくそのフェーズに入りました。この難易度の高い、しかしやりがいのある「現場DX」を、熱意を持って一緒に推進していける仲間と出会えたら嬉しいです。

建設現場の施工管理DXを実現する:SafieとBONX WORKが切り拓く、生産性向上と働き方改革の最前線
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