- 機能・使い方
- トランシーバー
- アプリケーション
トランシーバーアプリのBluetooth対応を紹介!スマホアプリとインカムの違いも解説
無線機といえば警備員が腰に装着している重量感ある簡易無線機や、居酒屋やカラオケ店で従業員が使用している小型のインカムトランシーバーをイメージする人が多いかもしれません。
しかし、昨今は無線機事情も大きな変革期を迎え、様々な形態の無線通信機器が開発されるようになりました。
今回ご紹介する「トランシーバーアプリ」は、スマホ(iOS/android)にて稼働する業務用通信アプリ。Bluetooth対応アプリを選べば、ワイヤレスイヤフォンマイクでストレスなく大勢のスタッフと情報共有することができます。
最新の無線機はスマホ!トランシーバーアプリとは
業務上でスタッフ間の連絡手段として常時使用している無線通信機器といえば、「業務用簡易無線機・特定小電力(トランシーバー/インカム)・IP無線機」の3種が一般的です。
無線機の本体とイヤフォンマイクを有線で繋ぐ交互通話となり、業務用無線機は500~3km、特定小電力は100~300mの通信距離を確保することができ、IP無線機はWi-Fi及び4G/5Gエリア内で利用することができます。
無線機・トランシーバーは毎年のように新機種が発売されていますが、使い勝手は実はそう変わらなく、通信距離が特別伸びるわけでもありません。送信ボタンを押している間だけ同じグループ(チャンネル)に情報発信をすることができるのが無線機の特徴となり、良くも悪くも“昔ながらの使い勝手”となります。
昨今話題のトランシーバーアプリとは
しかし、無線通信技術は日進月歩。近年はスマホを介した「トランシーバーアプリ」の認知度が急速に上がっています。これまでの無線機やインカム従事者にとっては、トランシーバーアプリは聞きなれない単語かもしれません。
トランシーバーアプリは、スマホに専用のアプリをインストールするだけでグループ通話が可能となる次世代の無線通信手段となります。既に複数社の有名ブランドが存在し、iOS/android及びBluetooth対応となるのが普通です。スマホの機種問わず使うことができますし、もちろん互換性があります。
スマホのトランシーバーアプリと無線機・インカムの違い
スマホを介するトランシーバーアプリと、従来の無線機・インカムを比較した際、どのような相違点があるのでしょうか。トランシーバーアプリの良し悪しや優位性を含めて解説します。
トランシーバーアプリは4G,5G/Wi-Fiで通信
トランシーバーアプリはWi-Fiや4G/5Gといったインターネットの通信システムを用いて通信をするため、電波が入るエリアであれば、日本全国で連絡を取り合うことができます。
従来の無線機で言えばIP無線機やMCA・JSMRに相当しますが、やはり「スマホ」という気軽さは非常に大きなメリットとなります。
一方で、通常の無線機インカムは、端末同士の電波の送受信となるため、通信距離に制限があります。また、物理的な障害物にも弱く、場合によっては数十メートルの距離でも届かないこともよくあります。
トランシーバーアプリとインカムの故障の頻度
トランシーバーアプリの本体はあくまでも一般的なスマホであり、アプリはインストールして使うソフトウェアとなります。そのため、アプリ自体の不具合は随時ブランド側でパッチを入れることができますので、ユーザーが何かすることはありません。
また、トランシーバーアプリでは、ワイヤレスのイヤフォンマイクを使用します。スマホとはBluetoothで繋ぐため、故障が発生するとすれば、Bluetoothの機能かイヤフォンマイクに不具合が発生することが考えられます。
一方で無線機インカムは本体端末とイヤフォンマイクの双方に故障のリスクがあります。本体は販売店で修理依頼をかけることができますが、業務用簡易無線機では軽微な修理でも1万円以上するのがざらですし、飲食店やカラオケが使っている特定小電力トランシーバーは、基本は消耗品扱いとなるので、本体を買い替えることになります。また、イヤフォンマイクはコードの断線頻度が高く、価格も一本2000~6000円と決して安くありません。
トランシーバーアプリはBluetooth対応
上述したように、トランシーバーアプリは基本的にBluetooth対応となります。一方で無線機インカムは有線で繋ぐため、コードの断線のリスクがあります。業務上でも不利になることが多く、飲食店ではジョッキに引っかかってしまったり、料理に付着してしまうこともよくあります。
コードは送信と受信の配線が三つ編み状に縛られているため断線しにくい構造ではあるのですが、ラフな使い方をする業界では、毎月のように交換が発生してしまい、経費もばかになりません。
トランシーバーアプリとIP無線機を比較
従来の無線機の中では、4G,5G/Wi-Fiの通信システムを利用するIP無線機がトランシーバーアプリと共通点が多い印象です。ただし、トランシーバーアプリと比較すると、価格や業務レベルでIP無線よりも優位性があることが分かります。
<価格>
トランシーバーアプリの初期導入時は、イヤフォンマイクの購入もしくはレンタルとアプリを利用するためのサブスクリプション(毎月の基本使用料金)への加入が必要となります。イヤフォンマイクは1~3万円が相場となります。
一方でIP無線機はサブスクリプションの申し込みは必要ありませんが、Softbankなどキャリアの月額使用料金の申し込みが必要となります。それに加えて本体端末は8〜10万円、イヤフォンマイクが3000~6000円となりますので、台数が増えるほどトランシーバーアプリと比べると初期導入費用がかさむことになります。
<業務上の優位性>
トランシーバーアプリはiOS/Androidのスマホで利用することができ、業務上では制服のポケットにスマホ本体を隠すことができるので、接客業でも問題なく使うことができます。
一方でIP無線機は、端末に付属しているクリップを腰ベルトに挟んで装着するため、制服にベルトがない場合、ズボンやスカートが無線機の重さでずり落ちてしまうことがあり、非常に不便となります。
トランシーバーアプリのメリットとデメリット
トランシーバーアプリは昨今のDX化の流れを受けて、企業にも重要視される新たな無線通信機器となりました。
しかし、まだ歴史は浅く、無線機インカムと比べて認知度も低いため、これからトランシーバーアプリの活用を検討している企業担当者は、しっかりとメリットとデメリットを把握する必要があります。
トランシーバーアプリのメリット
まずはトランシーバーアプリのメリットをご紹介します。「手持ちのスマホを利用できる」、「ネットが通じるところであれば、どこでも利用できる」といった基礎的な利点以外にも、下記のようなメリットを考えることができます。
- 会話のテキスト化や録画など多機能に富む
- 初期費用を抑えることができる
- 故障しにくい(想定外の経費を抑えることができる)
- 最新技術を搭載したクリアな音声のイヤフォンマイク
- Bluetooth対応のワイヤレスイヤフォンマイクを使用できる
トランシーバーアプリのデメリット
メリットがあれば必ずデメリットもあるものです。これまで無線機インカムを使用してきた人からすると、まず最初に「慣れ」が必要となります。
また、下記デメリットも想定できるので、導入後に「こんなはずじゃなかった」とならないように、機能や仕様は事前にしっかりと理解しておきましょう。
- 従業員の所有しているスマホではなく、企業側で用意する場合は、スマホ購入費がかかる
- 数年単位で使い続けると、無線機を購入するよりも費用がかさむ可能性がある※IP無線と比較するとコスパは高い
- 災害時はネット回線の遮断、及び国が電波を規制するため、BCP対策としては使い勝手が悪い
Bluetooth対応のトランシーバーアプリBONX WORKの特徴
イメージ:ALSOK介護グループ ホームステーションらいふ羽田大鳥居様
トランシーバーアプリは数多く存在しますが、業務レベルで使い勝手のいいブランドはそれほど多くはありません。
東京都渋谷区に本社を置く「株式会社BONX」は、Bluetooth対応のトランシーバーアプリ「BONX WORK」をサブスクリプションにて提供しているブランドで、トランシーバーアプリの先駆けとして高い知名度を誇っています。
◆BONX WORKの主な機能
- 音声のテキスト化と録音
- 画像送信
- 毎月固定料金
- 暗号化されたデジタル通信システム
- 50名(拡張可能)での同時通話
- 独自技術の発話検知機能
また、無線機インカムにおける大きな課題であった「複数のグループを跨いだ音声のやりとりをする」ことも可能となります。現場のすべての指示系統を統括しなければならない責任者にとっては、BONX WORKの機能は何かと重宝することでしょう。
業務のDX化の推進ならばトランシーバーアプリがおすすめ
現状多くの企業が使用している業務用アナログ無線は、2024年11月末で廃止が決まっています。今後は無線通信においても急速なデジタル化の波が押し寄せてくることでしょう。
今回ご案内したトランシーバーアプリは、政府が掲げるDX推進政策とも合致しております。企業のデジタル化を推進するため、昨今政府自治体は数多くの補助金・助成金制度を実施しており、トランシーバーアプリも条件によっては経費申請することができます。
現状で無線機インカムに代わる新しい通信手段を探している企業は、一度トランシーバーアプリを検討してみてはいかがでしょうか。