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インカムのグループ通話・同時通話の注意点とおすすめ製品を解説
昨今はインカムのグループ通話・同時通話機能を持つ製品・サービスも多様化しており、従来のような重量のある無線機を腰に装着する必要もなくなりました。これまで館内PHSや携帯電話で連絡を取っていた企業も、徐々にインカムの導入の検討を本格的にはじめていることでしょう。 そこで、ここでは各種インカムのグループ通話・同時通話の機能比較と、これから新規導入を計画している企業担当者におすすめのインカムをご紹介します。
インカムのグループ通話と同時通話は何が違う?
無線機業界において、グループ通話とはチャンネルごとに割り当てられた人間に対して「1対複数」の送信が可能となる機能であり、インカム全般の特徴となります。対となる「1対1」の会話機能を持つ代表的な媒体は携帯電話・スマホとなります。 一方で「同時通話」とは、携帯電話のようにお互いが同時に送受信して会話ができる機能を指し、対となるのは「交互通話」で、代表的な無線媒体は無線機インカムとなります。無線機インカムはトランシーバーとも呼ばれており、片方がPTTボタンを押している間だけ送信をすることができ、その間は受信者は送信することができません(送信をしようとするとビープ音が発生します)。 ただし、昨今はインカムアプリなどの普及もあり、「グループ通話と同時通話の双方の機能を持ったインカム」が増えてきました。そのため、実際のユーザーの間では、「グループ通話=同時通話」と見なしている人もいます。
無線機のインカムはグループ通話(同時通話)に適さない理由
無線機のインカムは、一般的には「プレストーク式」と呼ばれるように、1対複数の交互通話が主な機能となります。特定小電力トランシーバーの中にはグループ通話(=同時通話)機能を持つ機種もありますが、なかなか実用的とは言えないのが現状です。 無線機のインカム・特定小電力トランシーバーの出力は10mwとなりますが、電波法では1回で3分間の送信しかできないよう規制されています。そのため、同時通話機能を使うと3分で一端電波が途切れてしまう現象が発生するため、グループ通話(同時通話)をする場合は、出力を1mwに落とすことで規制を回避することになります。しかし、出力を10分1に落とすため、当然通信範囲も狭くなります。メーカー仕様では約150mと記載があっても、実際はせいぜい30mが限界といった印象です。 そもそも無線機インカムは1対複数の交互通話に特徴を持っているので、なかなか同時通話機能は使い勝手がよくないというのが本音です。
→インカムとトランシーバーの違いは?違いを解説!バイクでグループ通話(同時通話)をするインカムの選び方
複数人でバイクのツーリングをする際は、前後のバイクと連絡をとるために、グループ通話(同時通話)ができるインカムが選ばれます。バイクでグループ通話(同時通話)をする際は、下記のような条件に合致したインカムを選んでみてはいかがでしょうか。
・ワイヤレス(Bluetoothなど)のインカム ・イヤフォンマイクが高性能 ・長距離通信ができるインカム
無線機のインカムはバイク乗りにはおすすめできない
無線機のインカムは、上述したように出力が1mwとなるため、通信距離が直線でも数十mしか確保することができません。少しバイクが離れてしまうと、途端に通信が途切れてしまうこともありますし、離れ離れになってしまったら通信ができず、仕方なくスマホを使うことになります。そのため、無線機のインカムはバイク乗りにとって機能的とは言い難いものがあります。 無線機のインカムのイヤフォンマイクは純正であっても高性能・高音質ではありませんので、バイクに乗っての会話だと風を切る音がノイズとして入ってしまい、まともな会話ができない恐れがあります。また、インカム本体を腰に装着することになりますが、しっかりとベルトで固定していないと、運転中に本体が落下してしまうリスクも多少なりともあります。
iPhoneをインカムの代わりにできる?話題の「スマホインカム」とは
iPhoneのようなスマホは、同時通話であるものの1対1のやり取りが通常となるため、インカムの代わりにはなりません。しかし、昨今注目されているのが「スマホインカム」と呼ばれる新しいインカムスタイルです。現在複数のスマホインカムのメーカー兼ブランドがありますが、いずれもiPhoneとandroidに対応しており、専用アプリをスマホにインストールするだけでグループ通話と同時通話を兼ね備えた機能を使うことができます。企業向けに提供されているサービスはサブスクリプションが基本となり、月額料金を支払うことで無線機インカム以上の特徴と恩恵を享受することができます。
LINEインカムのメリットとデメリット
無料で利用できるLINEインカムは非常に便利ですが、ビジネス仕様となると、いささか心許ない気がします。LINEを持っていれば無料で利用できる利点はありますが、「声が割れた感じがする」、「対話する相手が近くにいると声が二重に聞こえる」、「Bluetoothのベアリングの設定がうまくいかない」、「圏外になると気が付かないうちに接続が切れる」といった声も少なくありません。特に接客を伴うサービス業では、顧客の前でスマホを取り出すのは印象がよくありませんので、スマホ本体に触れる機会は最小限に留めたいところです。
→IP無線とは?メリット・デメリットを初心者に向けて解説!無線機の代わりはスマホインカム「BONX WORK」でグループ通話
スマホインカム「BONX WORK」は、株式会社BONXが提供している企業向けのトランシーバーアプリです。サブスクリプションに加入することで時間制限のないグループ通話(同時通話)が可能となり、またグループ数は無制限に作ることができます。
優秀なグループ通話機能。圏外でも自動再接続が特徴的
スマホインカム「BONX WORK」は、インターネットプロトコル(IP)を利用するため、ネットが繋がるエリアであれば、全国で通信が可能となります。その一方で通信が不安定な場所や車やバイクで走行中は、一時的にネットが途切れてしまうことがよくあります。通常のスマホインカムは一度接続が解除されてしまうと、もう一度スマホを取り出して接続の設定をしなければなりませんが、BONX WORKは自動で再接続されます。スマホを取り出す回数が減るのはサービス業では顧客満足度の向上につながりますし、従業員のストレスも軽減することができます。
Bluetoothで高音質の純正イヤフォンマイクが人気
グループ通話ができるBONX WORKは、従来の無線機インカムにはなかった「高音質のイヤフォンマイク」を純正で購入することができます。イヤフォンマイクは耳掛けと耳挿しの2種類を選ぶことができ、いずれも防水・堅牢に優れ、デジタルノイズフィルタリングと風切り音をフィルターする機能が搭載されています。無論デジタル通話方式となるため、余計なノイズが入らずクリアな音声を維持することができるのも魅力です。 また、イヤフォンとマイクは一体型のため、無線機インカムのようにピンマイクを胸元に付ける必要もなければ、Bluetoothで無線でスマホと繫げることができるため、有線コードが物にひっかかる心配もありません。
インカムのグループ通話・同時通話はスマホを活用するのがおすすめ
インカムを利用したグループ通話・同時通話を従業員の連絡手段として考えている企業担当者は、まずは無線機とスマホインカムの双方を試してみてはいかがでしょうか。無線機には交互通話という特徴がありますし、スマホインカムはグループ通話と同時通話を兼ね備えている魅力があります。どちらが自社の業務連絡ツールとして利便性が高いのかは、実際使ってみなければ分からないことも多くあるはずです。まずは販売店に相談してみるのがいいでしょう。 →双方向通信で教習の質と安全性が向上!生徒から安心の声|鴨居自動車学校様