- 機能・使い方
- トランシーバー
【徹底解説】意外と知られていないトランシーバーの仕組み
様々な用途で使われているトランシーバー。しかし仕組みを知るとよりトランシーバーが使いやすくなるのではないでしょうか。
今回は意外と知られていないトランシーバーの仕組みを解説していきたいと思います。また記事の最後にはトランシーバーに代わるおすすめのサービスも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
トランシーバーとは
トランシーバーとは無線機の一種で送信機と受信機が一体となっています。携帯電話やスマートフォンと違うのは、ボタンを押したままマイクに向かって話すと受話者に音声が伝わり、お互いにコミュニケーションができる点。
携帯電話のように回線を利用しないので、電波が繋がらない山間部やトンネルの中でも問題無くやり取りできるのが大きなメリットです。また機種によっては免許や通信料が必要な場合があります。
トランシーバーの種類
特定小電力トランシーバー(短距離タイプ)
軽く、持ち運びしやすいのが「特定小電力トランシーバー」です。特小や特小無線と呼ばれ、免許不要で簡易的に利用できる短距離通信の無線機として高い人気を博しています。
送信出力が0.01W以下の無線を指し、通信距離は約100m〜1kmに限定されています。
相場価格は1万円〜3万円程度と無線業界の中でも低コストで導入でき、個人から法人団体まで幅広く利用されているのが特徴です。
簡易業務用無線機(長距離タイプ)
広範囲で安定した通信ができるのが「簡易業務用無線機」です。一般的な業務用トランシーバーをいい、送信出力は10W以下とパワーが強く、その分通信距離も約5km〜約10kmと長距離となっています。
一台あたりの価格は約5万円〜10万円。簡易業務用無線機はパワーが大きいため使用の際には無線局免許状または登録状の提出が必須です。
IP無線機(広域タイプ)
携帯電話回線を使用し日本全国で通信できるのが「IP無線機」と言います。通信エリアをほぼ完全にカバーしてくれる無線機ですが、基本的な通信方式や機能性については簡易業務用無線機と大差ありません。また相場価格は約6万円〜12万円程と無線メーカーの中では高額に設定されています。
IP無線機は携帯電話の回線を使用するため免許は不要ですが、通信料金が発生します。
トランシーバーの仕組み
同じ周波数帯(チャンネル)を使用するため単式方式
「単信方式」は交互通話とも呼ばれ、話し手が1名のみに限定された状態で交互に会話を行う通信方式です。受信機と送信機を同時に起動することができないため、一方向でしか会話ができない仕組みとなっています。一本の路線を電車が行き来しているイメージを想像すると分かりやすいかもしれません。
発話時には端末のボタンを押し続けながら話しかけることで相手に音声が伝わります。携帯電話のようなスピーディーな会話ができない点がデメリットであると言えますが、必要な情報を必要な時のみやりとりできるのは利点でもあります。
それに対して「複信方式」は双方向通信とも呼ばれ、電話のような同時通話が可能です。それは自分と相手との間で同時に送受信ができるためです。インカムや一部の特定小電力トランシーバー・IP無線機がそれに該当しますが、トランシーバーは単式方式(交互通信)が基本となります。
トランシーバーの種類や話し方のルールについて詳しく知りたい方は、下記のTIPS記事と合わせてご覧ください。
トランシーバーの種類や使い方・話し方を徹底解説チャンネルに周波数帯を割り当てることで複数名と会話ができる
トランシーバーはチャンネルに周波数を割り当てることで会話ができる仕組みとなっています。
テレビやラジオのようにチャンネルがあり、共通の周波数帯を設定することでグループ間で会話が行えるというイメージ。
スマホやIP無線機は端末ごとにIPアドレスが割り当てられており相手の通信機を正確に識別してくれるため同じチャンネルに接続する必要はありません。
パワー(出力)の大きさで決まる2つのこと
トランシーバーの種類ごとにパワーの大きさが異なります。端末の持つパワーは出力と呼ばれ、強いものほど広域での通信が可能です。
免許取得が必要かどうかの違い
出力の大きさは免許取得の有無にも関係があります。例えば簡易業務用無線機は5Wの高出力機種が主となり一台ごとに免許の取得が必須。
一方でIP無線機や後述するスマホインカムは携帯キャリアの通信網を利用するため免許不要でどなたでも利用できます。
また特定小電力トランシーバーも0.01W以下と出力が小さいため免許を取得する必要はありません。このようにトランシーバーの種類ごとに出力が異なり、それに応じて免許が必要かどうかも決まってきます。
電波が届く範囲が限られており通信距離に制限がある
出力の大きさは免許取得の有無だけでなく電波の届く距離の長さにも関わっています。特定小電力トランシーバーは出力が小さいため200m程と通信距離が中でも狭く、出力の大きい簡易業務用無線機は約5kmもの範囲でやりとりが可能です。
IP無線機やスマホインカムはインターネット環境下であれば距離無制限で利用でき一般的なトランシーバーの通信エリアをカバーしてくれます。出力の違いによって電波の届く距離の長さが違うので、運用に応じた適切なトランシーバーを探す手間があります。
トランシーバーの周波数・チャンネル・出力については下記のTIPS記事で詳しく解説していますので是非参考にしてみてください。
トランシーバーのPTT(プッシュツートーク/プレストーク)とは
トランシーバーのPTTはプッシュツートークの略称であり、単信通信やプレストークとも呼ばれる半二重通信の一種に該当します。一般的なトランシーバーはこのPTT方式を用いて1対多とコミュニケーションを取り合うことが可能です。
PTTは搭載されたボタンをオンとオフに切り替えることによって送信と受信ができるようになりますボタンを押している間しか発信ができず、複数名が同時に会話することはできません。一方通行の経路を行き来しながら会話を行うようなイメージです。
プッシュツートークの詳しい仕組みや話し方などについて知りたい方はこちらのTIPS記事をご確認ください。
プッシュツートークの仕組みや通信方式、スマホでPTTを利用する方法まとめトランシーバーをワイヤレス化するには
上述の通りトランシーバーをワイヤレス化する条件は以下の2つ
- Bluetoothに対応している無線機(インカム/特定小電力トランシーバー/IP無線機)を選ぶ
- スマホ端末のトランシーバーアプリを利用する
トランシーバーでワイヤレス化する場合
無線機でペアリングを行うには、搭載されたボタンで操作が必要です。一般的には設定画面やメニューを選択し、Bluetooth検索などと表記された項目を選択。
イヤフォンマイクを長押しすることで端末がデバイスを検知しペアリング完了となります。ペアリング完了後には再起動が必要など一手間かかる場合があります。
トランシーバーアプリでワイヤレス化する場合
トランシーバーアプリはスマホに専用アプリをインストールすることで利用できるコミュニケーションツールを指します。iPhoneやAndroidで音楽鑑賞用などに用いられるBluetoothイヤフォンマイクと同様の手順でペアリングが完了します。
基本的にはクレードルから取り外しイヤフォンマイクを長押しするとBluetooth設定画面にシリアルまたは製品名が現れますので該当の製品をタップ。一度ペアリングしたことのあるデバイスであれば基本的には自動で接続されます。無線機のワイヤレス化と異なり、接続が途切れても再設定する工程が少ないのが特徴です。
トランシーバーのワイヤレス化についての詳細やメリット・デメリットをまとめたTIPS記事はこちらからご確認いただけます。
業務用としておすすめのトランシーバー
業務用トランシーバーは現場環境や利用用途によって異なります。各業種で活躍する業務用トランシーバーをまとめました。
特定小電力トランシーバー
- クレーンなど重機の操作を伴う工事現場での通信
- イベントやお祭りを主催するスタッフや警備スタッフのやりとり
- ワンフロアのアパレル店舗や展示会場、飲食店におけるスタッフ間のやりとり
などに業務利用されています。小型軽量であることから長時間携帯していても負担が少なく、障壁の少ない平坦な地形であれば不具合が発生しづらいのが特徴です。通信相手を目視できる程度の範囲内での通信におすすめです。
簡易業務用無線機
- 警備業・倉庫業
- イベント業など広大な敷地面積を有するエリアにおける通信
- 災害などの非常事態
- 山間部や僻地などインターネットがつがらない場所での通信
広いエリアで通信できるだけでなくチャンネル数が多く混信しづらいことから、人の多いイベント会場や大規模な工事現場などで活躍します。 簡易業務用無線は無線機同士が電波を送受信するためインターネットが繋がらない場所でも通信できるのが強みです。
業務用無線機の選び方はこちらの記事でも紹介しています。
IP無線機
- 航空・観光バス・運送業
- 広大な施設を有する病院・介護施設
- 建設現場・工場・ホームセンター・アミューズメント
- セキュリティの要件が厳しい事業
IP無線機はインターネット(3G.4G.5G)Wi-Fiを経由して通信を行うことから、北海道から沖縄まで全国エリアで通信可能です。長距離移動を要する業務で多く活躍しており、離れた場所にいるデスクレスワーカーと事務スタッフの連携に大きく貢献しています。
またネットワークを経由する際に音声がデータ化されるため、周波数を割り当てて通信を行う無線機よりもセキュリティに長けており、傍受や混信を防ぐことが可能です。インターネットの普及拡大や5Gネットワークの整備が進められていることからより一層市場拡大が期待されています。
トランシーバーの不便を解決するならBONX WORK
ここまでトランシーバーの仕組みについて紹介してきました。しかし上記のトランシーバー特有の仕組みは、業務で使う上では障害になることも。
そこでおすすめしたいのが「BONX WORK」というサービスです。ここではBONX WORKの特徴を見ていきたいと思います。
BONX WORKの特徴①通信距離が無制限
トランシーバーは基本的に長距離の通信に弱いのですが、BONX WORKはインターネット回線を使用するため、世界中どこにいても通信する事が可能です。トランシーバーのように手軽に通信できる良さを残しながら通信距離というデメリットを解消したとも言えますね。
BONX WORKの特徴②ワイヤレスのハンズフリー通話で使用できる
トランシーバーを利用するには直接口元に端末を当てる方法もありますが、基本的にはコード付きのイヤフォンマイクが必要です。端末を腰に固定しイヤフォンマイクのピンを胸元に留め、片耳に装着した状態が基本的なスタイル。
一方BONX WORKはスマホとイヤフォンマイクをBluetooth接続することでご利用いただけます。さらに発話検知機能といって音声を自動検知し相手へ届ける特許取得の技術を保有しているため、両手が塞がっている際にもハンズフリーでも会話ができるのです。
BONX WORKの特徴③双方向通信で同時通話が可能
上述の通りトランシーバーの多くが単信方式で交互にしかやりとりできませんが、BONX WORKは携帯電話会社のネット通信を使用するため、複数名での同時通話が実現します。
また会話に特化した音質にチューニングされているため、まるで相手が隣にいるかのような感覚で会話できるのです。
BONX WORKの特徴④サブスクリプションで初期費用が抑えられる
業務用として使われているトランシーバーの価格相場は手頃なもので約2万円〜、高価なもので約5万円〜12万円ほどに設定されています。
全台まとめて買い揃えると高額な初期費用が発生するだけでなく、故障や不具合の度に高額な費用負担のリスクを伴います。また断線したコードや電池の補充など、細々とした消耗品費が不可欠です。
一方、BONX WORKのサブスクリプションであれば、初期費用を大幅に抑えて導入することが可能に。
サブスクリプションを月契約で申し込む場合、一人あたりアプリ利用料900円/月、BONXイヤフォン1,500円/月で利用を開始できます。(年契約の場合、アプリ利用料は実質月額500円/月)
さらにサブスクリプションではイヤフォン故障、バッテリー自然劣化による無料交換にも対応しているため、買い替え費用や消耗品費が発生しません。初期費用を抑えてより快適なコミュニケーションを行いたい方におすすめです。
BONX WORKの料金プランについて詳しく知りたい方はこちらのページからご確認ください。
まとめ
今回はトランシーバーの仕組みについて解説しました。トランシーバーの仕組みを知る事で、何故トランシーバーが同時通話できないのか知る事ができましたね。
またそれらのデメリットを解消するためのサービス「BONX WORK」もありました。是非この機会に「BONX WORK」の導入を検討されてみてはいかがでしょうか。ここまで読んで頂きありがとうございました。
インカムアプリとは?無線機との違いや必要な製品・費用を解説